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平成22年度入学式の学長式辞

「人間力」をしっかりと身に付けて、実社会で立派に活躍できるように

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 本日、ここに平成22年度の入学式を挙行するにあたり、公務ご多忙の中を特に本学のために時間を割いていただきご臨席を賜りました秋山浩保・柏市長を始め、数多くのご来賓の方々に対しまして、学長として心から厚くお礼を申し上げます。
 また、本日の入学式にわざわざご出席くださいました保護者の皆様方に対しましても、この席をお借りしてご子息・ご息女のご入学を私ども教職員は心から歓迎しておりますことを、先ずは、申し上げておきたいと存じます。

 さて、新入生の皆さん、本日は日本橋学館大学へのご入学本当におめでとうございます。私は本学の教職員を代表して入学生の皆さんに対して、心よりお祝いを申し上げたいと思います。先に、入学予定者の皆さんには「合格通知書」と同時に私からのメッセージとして、「歓迎の言葉」を私の署名入りでお届けしております。その中で「私は、教職員並びに在学生とともに、皆さんの入学を心待ちにしております。」と認めました。そして、その締めくくりに「それでは、入学式でお会いしましょう。」という言葉で結びました。

 本日、まさにその「入学式」を迎え、こうして実際に皆さんとお会いできましたことを、何にも増して私は、うれしく思っております。これから4年間、皆さんの一人ひとりが本学で学生生活を送れて本当によかったと思えるように、私ども教職員は在学生の諸君とともに皆さんを我々の仲間として、文字通り、心の底から歓迎する次第であります。

 本日の入学者は合計169名です。その内訳を申しますと、「リベラルアーツ学部」の総合経営学科73名、人間心理学科47名、総合文化学科47名であり、「人文経営学部」への編入生が2名含まれております。出身校別では、本学の併設校である日本橋女学館高等学校から9名、中国・遼寧省の遼寧華瀾学校から10名、四国・高知県の明徳義塾高校から8名、などとなっております。また、硬式野球部に入部を希望している入学生は22名にも上りますし、パワーリフティングの世界選手権ジュニアの部で3位に入賞した入学生も2名おります。地域的にも、北は東北・青森県から南は九州・福岡県からも入学者がありました。全体として、数の上では昨年の2倍近く、また、近隣地区からの入学者も近年になく増えており、文字通り本学は地域に根ざす大学、地域とともにある大学として、今後ともに貢献したいと思っております。
 こうして入学してこられた新入生の皆さんに対して、私は、まず最初に申し上げておきたいことがあります。

 それは、本学の歴史と伝統を知っていただきたいということです。入学生の皆さんはこれから学内の至るところで、「質実穏健」という掛け軸や掲示を目にすることかと思いますが、これは本学の<建学の精神>を示す言葉です。本日は折角の機会ですから、そのことから説明することにいたしましょう。

 本学は平成12年の4月に開学いたしましたので、今回11回目の入学式を迎えたことになります。従いまして、皆さんは本学の11期生ということになります。共学の4年制大学としてはまだ新しい大学で、歴史は浅いのですが、本学の前身は12年の歴史を持つ「日本橋女学館短期大学」であり、更に遡りますと「日本橋高等女学校」、そして古くは明治38年、西暦で申しますと1905年に創設された「日本橋女学校」が、その母体となっているのであります。

 「日本橋女学校」の初代校長である浦田治平という方は、創設に当たり当時の時代風潮を踏まえ、女子の教育には「質実穏健」の気風が大切であると判断して「質実穏健」を、<建学の精神>と定めたのでありました。以来105年の長きにわたって、この言葉は大切に伝えられてきたのであります。本学はそうした長い伝統を受け継いでいるということを、先ずはご理解いただきたいと思います。

 そこで、「質実穏健」という言葉の意味から申し上げてみますと、初めの「質実」は、人の暮らしや行動に派手さがなく内容が堅実であること、すなわち、「質実」な生活を支えるための実学の伝承、及び社会人としての基礎力の育成を目指しています。「穏」は、心の有り様が「穏」やか、安らかなことです。「穏」やかな精神を育む、バランスの取れた幅広い教養と感性の教育を目指しています。「健」は、体が伸びて元気なこと、すなわち、身体が丈夫なことです。「健」やかな肉体、及び活力ある個性を育てることを目指しています。

 従って、「質実穏健」であるということは、「心技体」が揃って優れた状態にあることを指します。社会に適応できる技能と豊かな精神を持った人材、すなわち、「人間力」を備えた人材の育成を本学が目指しているということを、先ずは申し上げておきます。

 本日、日本橋学館大学に入学された169名の皆さんには、この「質実穏健」という言葉を<建学の精神>として、今後、しっかりと胸に刻んでいただけるようにと、ここで特にお願いしておきます。

 ところで、本学は昨年開学して10周年を迎えたことを一つの契機とし、更なる飛躍と発展を目指して、学部の名称を「人文経営学部」から「リベラルアーツ学部」へと変更いたしました。皆さんは、「リベラルアーツ」の意味を、大学の「入学案内」や「ホームページ」などで、もう既に理解されていることでしょうから、ここで、詳しく申し上げるつもりはありませんけれども、簡潔に言えば何よりも「学問の基礎」を大切にするということであります。「リベラル」とは「自由な」、また「アーツ」とは「学芸」という意味ですが、その起源を遡れば、古代ギリシアにまで至ります。当時の自由市民階級が必要とする知識や技能のことを「リベラルアーツ」と呼んでいたことに因むわけであります。より具体的には、文法や修辞学を含む「自由基礎7科目」のことを指しております。アメリカにおいては「リベラルアーツ・カレッジ」が、大変に高い評価を得ておりますことは、皆さんもご承知のことかと思います。

 この「リベラルアーツ」という言葉は、一般的には「総合的教養教育」と訳されておりますが、本学ではこれを「基礎教養」という言葉で捉えることにいたしました。と申しますのも、本学はその「教育目標」として「基礎を固めて、専門性を身に付けつつ、幅広い教養を培うこと」を掲げております。本学では、何よりも「基礎」や「基本」を大切にしたいと思っております。その上で「専門」を学び、最終的には幅の広い「教養」を身に付けた人間を育成するというのが本学の目指す「人間教育」であります。

 そこで、「リベラルアーツ学部」のキーワードとして、「人間力」を育むことを基本的な概念として掲げたわけであります。「人間力」とは、一般的には「社会で生きる力」とか「社会人基礎力」などと説明されておりますが、本学においては設置している3学科において、それぞれ「教育目標」を設定し、それに則した「人間力」の定義がなされております。従って、入学後はより具体的な形でその中身をしっかりと身に付けることができるように、各自で努めていただきたいと思っております。

 そもそも、大学は昔から「最高学府」と呼ばれ、若者が社会に出る最後の「教育機関」でありました。従って、大学では学生諸君が社会で必要とされる知識や技能を学ぶことが最大の「目標」であり、また、最高の「課題」でもあります。皆さんは、本学で「リベラルアーツ」の理念の下にそのキーワードとして掲げる「人間力」をしっかりと身に付けて、実社会で立派に活躍できるように、これからの4年間を有意義に過ごして「学問」の研鑽と「人間力」の涵養に努めていただきたいと思う次第であります。

 最近、「学士課程教育」という言葉を耳にすることが多くなりました。これまでは、「学士号」という言葉は単なる「称号」に過ぎませんでしたが、しばらく前に「学位」に昇格いたしました。それに伴い「学士課程」という言葉が定着したのであります。「学士課程教育」とは、要するに4年間で完結する教育のことを言っております。本学には大学院が併設されておりませんが、「リベラルアーツ教育」はまさに「4年完結教育」でありますから、皆さんにはこの4年間で、本学において幅広い教養と専門的知識をしっかりと身に付けていただきたいと思っております。

 この数年、本学の卒業生は就職だけではなく、大学院への進学も増えてまいりました。アメリカの優れた「リベラルアーツ・カレッジ」は、就職もさることながら、超一流の大学院への進学実績が売り物になっております。皆さんが、本学においてしっかりとした「基礎教養」を身に付けることができれば、就職は勿論のこと他大学の大学院に進学して、更に「専門教育」を深めることも可能であると申し上げておきましょう。そうした基礎的・基本的な能力を、是非とも本学で身に付けて、更なる成長・発展への基盤を確固として築いていただきたいと思う次第であります。

 本学は、小規模ではありますが様々なことが学べる「ミニ総合大学」であります。また、周辺は、緑に囲まれ静かで理想的な学習環境の中にあります。
 どうぞ、4年間の学生生活を伸び伸びと過ごしていただきたいと存じます。本日は、折から咲き始めた桜の花が皆さんを出迎えてくれましたし、私ども教職員も皆さんを心待ちにしていたところであります。どうぞ、これからの4年間が皆さんの人生にとって最も意義深い、そして、充実した期間となりますようにと祈念して、私の「式辞」といたします。

平成22年4月1日   
日本橋学館大学   
学長  横 山 幸 三